第7回にちなんおろちマラソン全国大会<日時> 平成19年6月24日(日) 小雨から大雨まで、一日中雨 <結果> ゴールタイム 10時間51分13秒 <10キロ毎のラップ> S-10 59.52 10-20 53.16 20-30 55.06 30-40 1.03.27 40-50 1.07.27 50-60 1.00.00 60-70 1.42.38 レスト着替え時間を含む 70-80 1.01.30 80-90 1.04.26 90-G 1.04.32 生涯2回目のウルトラ100km、にちなんおろちマラソンの日がやってきた。 本大会のコースは、高低図によると標高差は600mぐらいだが、上ったり下ったりの山がいくつも連なって、いかにも「ヤマタノオロチののたうつが如く」のコースだ。 昨年の初ウルトラであった四万十川では、タイムは約11時間半だったので、今回はこの厳しいコースを考慮して、目標は12時間以内というところにおいていた。 だが、何個も山のあるコース、万一のことも考えて、関門閉鎖の時間をウォッチに貼って行くことにした。余談だけれど、白いテープに小さい字で時間を書き連ねるのはたいそう苦労した。実際には激しい雨で、判読できる状態ではなかったのだが。 ◎(前日)出発から就寝まで 前日土曜日は午前中平常どおりに仕事をしてから、12時すぎに出発した。移動手段はいつもの通り自動車である。 高速道路を走り続け、中国自動車道の新見ICから県道を北上。 神郷温泉で入浴。 さらに北上、生山駅前で夕ご飯。特別定食1,000円也、大き目のお茶碗いっぱいのご飯を完食して、カーボの代わりとした。 翌朝受付会場の総合文化センターはやはりすぐにわかった。残業中の職員さんに近くの社会体育館を教えてもらい、そこで寝むことにする。文化センター隣のショッピグセンターで、翌朝用のおにぎりとお茶、バナナを買う。 社会体育館は、マラソン選手の控え室用に開放されていて、シャワーも完備。車中泊のつもりだったので、体育館で足を伸ばして寝られるのはラッキーだ。体育館で寝るというと、震災後の避難生活を思い出すが、あの頃の体育館と比べると、よく空いていて寝やすそうだ。実際、離れたところに布団を敷いていたオニィさんのいびきは聞こえたが気にはならなかった。携帯のアラームを3時にセットして、寝袋にもぐりこんだ。 10時ごろ消灯、その頃から雨が降ってきた。屋根に当たる雨音を聞きながら、予想外に早く眠りに落ちた。 ◎起床からスタートまで アラームの鳴る前、まだ暗い3時前に目が覚めた。外はシッカリ雨だ。 文化センターの受け付けへ向かう。 当日の受付は3:30からスタートの20分前、4:40までしてくれる。 ゼッケンなどを受け取って、センター内の更衣室でレースの用意と朝食。 女子更衣室は、鏡のいっぱいある立派な広い部屋で、誰もいないところで椅子に座ってゆっくり用意が出来た。 着替えポイント用の袋には、長袖と半袖のシャツを一枚ずつ、靴下、タオル、ビニール袋、ディクトン、もしかして晴れたときのために日焼け止めも入れた。これは全く不要だったけど。 スタートのウェア--長袖のシャツ(CW-X)、長いタイツ(CW-Xプロモデル)、5本指ソックス、帽子。 ウェストポーチの携帯品--パワージェル2本、梅丹、芍薬甘草湯、デジカメ防水ケース入り。 スタートまでの雨の防御に、ビニール袋をかぶることにした。 足と腹回り(ウェストポーチが擦れる)、下着の擦れそうなところにディクトンを塗って、それでも日焼け止めも塗って、更衣完了。 朝食は、おにぎり2個、大福もち2個、バナナ1本、お茶にヴァームを溶かして飲んだ。 時間までパンフレットを読んで過ごしたが、100kmの女子の参加者は、我々おばちゃんのクラスが20名、それ以下の年の若い方のクラスは16名。あまりに少ないのに驚いた。よく見ると、男子も両クラス合わせて300名ほどだ。このくらいの人数で100kmとなると、コース上にランナーがまばらになって寂しくなりそうな予感がする。 スタートの時間が近づいてきたので、荷物を預けて外に出た。やはり雨が降り続いている。 雨の当たらないところで、ほんの気持ちだけストレッチ。 屋根の下でスタートを待つランナーたち。雨具(ビニール袋が主)を着ているランナーは、2割ほどかな。 スタート15分前、4:45から出発式。 「雨のため、号砲が不発になるかもしれないので、そのときは前のランナーが動き出したらそれに続いてスタートしてください」と、いかにもウルトラでしかあり得ないであろうコメントの後、無事号砲! 長い旅路のスタートだ。 ★スタート~10km 59.52 スタートラインまで15秒くらいだったけど、全く無視。 町を出て、山に向かってだんだん上り。 ここで、フラメンコダンサー姿の仮装ランナーを発見、横に並んでお話した。 このランナーは、みかた残酷でも世良公則姿で立ちマイクを持って走り通した方だった。毎年仮装で参加しているので、昨夜の開会式で感謝状をもらったそうだ。この日は、フラメンコダンサー姿に、ラジカセを持ってのラン。エイドの度に立ち止まって、フラメンコを披露するという趣向らしい。 「長いスカートが走れるか不安だったけど、意外にスカートは走れる」とおっしゃっていたが、雨で重くなったら辛かろうなと心配だけしてあげた。この日会ったスカート姿のランナーは、この方一人だけだった。 ビニール袋は雨が小降りになったら脱ごうと思っていたのだが、ちっとも小降りにならないので、この区間は着たまま走った。袋の中が蒸れて暑い。 前半はキロ6分ぐらいの予定だったので、予定通り。 エイドはほぼ2.5km毎、最初の頃は給水と飴、オレンジ、バナナ、レモン、スポンジぐらい。 ★10~20km 53.16 この区間は下りもあって、予定より速いペースになってしまった。 同じようなペースの鳥取県のランナーとお話しながら走ったので、ペースが上がってしまったらしい。この方はサブスリーランナー。普段は絶対あり得ないそんな速い人と肩を並べて走れるのも、ウルトラの楽しみのひとつかもしれない。 3月の日本海マラソンのときにお話した女性ランナーを見つけたので、少しお話しながら走ったが、彼女はすぐに先に行ってしまった。 降りしきる雨の中を、町の人々が沿道に出て応援してくれる。 沿道の応援は年配の方が多い。町の人口は6,000人ばかりだそうなので、大会運営に若い人が出て行ったあと残っているのは年配の人だけなのかなァ、なんてつまらないことを考えつつ走る。 ★20km~30km 55.06 この区間も想定より速い。 雨はちっとも止まないが、蒸れて暑いのでビニール袋を脱いで、以後は濡れて走る。 エイドではオレンジが甘くて、水分たっぷり、とてもおいしい。日南町のオレンジだそうだ。 先ほどの鳥取ランナーさんとは同じペースでずうっと併走。 ★30km~40km 1.03.27 36キロのエイドは軽食。サンドイッチ、おにぎり、梅干、水とオレンジ、トマトもいただく。トマトも地元産。 この先から山コースに入るので、クマよけの鈴をもらう。小学生のメッセージ入り。ウェストポーチにつけて、以後はゴールまでチリンチリン鳴らしながら走ることになる。 山に入るとトーゼン上り坂。まだ何とか走れるくらいの傾斜だ。一山上りきったところが40km地点。 上りにはいってややペースダウン、キロ6分を越えた。 ★40km~50km 1.07.27 42.195km地点は、標識がなく、だいたい4時間とちょっとで通過した。 いったん下ったあと、また山上りが始まる。 山道ではランナーがまばらで、前後に人影が見えなくなることも多く、ちょっと寂しい。「クマ注意」の立て看板も実際に立っている。 峠では雨に加えて、霧が深く、視界が悪くて、カーブも多いので、もう前のランナーは全然見えない。コースに所々立っている黄色いのぼりで、コースを間違えていないことがわかるだけだ。間違う道はないのだけれど。 所々に、電気工事の車とオジサンたちが立っていてくれている。もちろん工事のためじゃなくて、マラソンの応援でだ。霧の中で人に会うとほっとする。 この区間の上り坂がどうしても走れず、かなり歩いてしまった。腕を大きく振って早歩きしたつもりだったが、後続の女性ランナーに抜かれてしまった。 歩きも入って、この区間はキロ7分弱かかった。この間に鳥取ランナーさんにも置いていかれた。 ★50km~60km 1.00.00 50km過ぎで峠の最高点に達したあとは、ひたすら下り。かなり急な下り坂で、膝に来そう。 まだ半分もあるのに、今調子こいて持たなくなったら元も子もない、慎重に下りていく。 半分くらい下りたところで、霧が晴れてきて眼下に景色が見えてきた。 山を下りて里に入ったところで、沿道のおじいさんがマーガレットの花を1輪くれた。女性だけにサービスだったのかしら。しばらく手に持って走ったが、首が折れてきたのでゼッケンの隙間にさして走った。まさか口にくわえては走れないので。(この花は着替えポイントで荷物の中に入れた。持って走るよりしおれないだろうと思ったので。もちろん家まで持って帰ったよ) 下りばっかりなのに、キロ6分ちょうど。 ★60km~70km 1.42.38 下りきったところ、多里小学校がレストエイドステーション。 ダンゴ汁、おにぎり、梅干、水とオレンジをいただく。 エイドのおばさんに、励まされ、脅かされる。 「この先の坂がきついけぇ、頑張りんさいよ。その坂の先にもまた坂があるけぇ、安心したらいけんよ」 預けてあった荷物を受け取って、隣の保育園で着替えとトイレ。濡れて寒くなりかけていたので、着替えできたのは助かった。もう暑くなる心配はゼロと思われたので、長袖と半袖のシャツを重ね着した。靴下は濡れ放題だったが、シューズが濡れている以上は履き替えても無駄な気がして、そのままにした。 もう一度、温かいお茶をいただいてからコースに戻った。この間20分ぐらいだったと思う。 レストを出てすぐ、上りが始まる。ダラダラから結構きつくなって、この上り坂が延々5km続く。 11時半にスタートした37kmコースの後のほうのランナーが加わって、コース上は人が多く賑やかになった。 200mごとぐらいに、大きな立て看板に、鳥取弁で激励のメッセージが書かれている。 「よう頑張りんさった、だけぇ、まだ半分だけぇね」 上り始めの500mくらいまでだろうか、曲りなりにも走れたのは。あとの4.5kmは、ひたすらひたすら歩いた。歩いていても、ゆっくり歩いているランナーは抜かせられる。周りのランナーもほとんど歩いているが、根性で走っている2.3人のランナーに抜かれた。早歩きの修行がまだまだ足りないようだ。まだ30km以上あるのだから無理してはいけない、と自らに言い聞かせ、コースの最高点の峠まで、歩き通した。 ここの区間は雨は小止みだったように思う。 上りきったところが70km、レスト時間を入れて1時間42分もかかった。 ★70km~80km 1.01.30 上りきったら、もれなくついて来る下り。これまた延々7kmぐらい下りっぱなし。 下りは勢いよく駆け下りたいところだが、まだ先に二山上らないといけないらしいしので、慎重に下りていく。 下り坂でも歩いているランナーが結構いる。 鳥取ランナーさんが歩いているのを追い抜いた。かなり膝にきているそうだ。 ふやけた足にマメができたようで、指の裏に違和感がある。痛いけれど、走れないほどではないので無視して行く。 この頃から、2.5km毎のエイドが待ち遠しい。エイドでは名簿を見て、一人一人に名前を呼んで激励してくれる。沿道の人も雨の中、名前を呼んでくれるのが、とてもありがたくて力になる。 78.5kmのエイドでは、ソーメンをいただいた。生暖かいのが、かえってありがたい。 給水は水、スポーツドリンク、温かいお茶と紅茶、コーラも置いてくれている。レース中にコーラはいかんと思いながら、少し飲んでみると甘味がすごくおいしい。少々気が抜けているのも刺激がなくて助かる。こんなに美味しいのは、身体が要求しているのだと思い直して、以後のエイドではコーラも少量いただくことにする。 フトモモに来ている感じがあるので、痙攣予防に、芍薬甘草湯を一服。 この区間下り一辺倒なのに、キロ6分を越えた。 ★80km~90km 1.04.26 80km過ぎから、また長い上りがやってきた。 エイドで若いおにいさんが「11時間を切ります」と言っていたのを漏れ聞いたので、この人についていければ私も達成できるかも、と思いついていくことにする。彼は上りも歩かず、エイドもほとんど止まらず、淡々と歩を進めていく。追いついて並び少し話したら、この大会は1回めから参加しているそうで、大体毎回10時間半から11時間前後でゴールしているそうだ。このペースなら、あとキロ7分かかっても11時間を切れる、と言われた。ここまで来たら、何とかサブ11をと欲が出る。 平坦ないし下り坂で彼に追いつくのだが、上りとエイドで離される、という展開がしばらく続いたが、90km手前までの上りをまたほとんど歩いたせいで、大きく離されて後姿も見えなくなった。 この上りで、また鳥取ランナーに抜かされた。 85kmのエイドで、おしるこ。3個も入れてくれたお餅は食べられず、甘すぎてお汁も半分も食べられなかった。 どこも攣りそうな感じはしないが、それでも保険と思って芍薬甘草湯をもう一服。 この区間もキロ6分を大きく越えた。歩いたのだから当然だ。 ★90km~ゴール 1.04.32 90kmを過ぎると、もれなく来る下り。そこそこ急だが、マメは痛まず、何とか走れる。この下りでまた鳥取ランナーさんを追い抜いた。 のどかな田園風景が終わると、94kmから最後の上り。これまた走れず半分以上歩く。 ここまで来たらもう大丈夫だろう、95kmのエイドではコーラをコップ1杯飲み干した。普段炭酸類はほとんど飲まないが、こんなにコーラが美味しいと思ったことは今までにない。 やっとのことで上りきった、あとは下ってゴールだ。 町の中心部に近づいて来る。スタートした文化センターが見えてきた。 四万十川のときはゴール前200mのグラウンドで肉離れが起きたので嫌な予感が走ったが、今回はどこも攣りそうな感じもない。大丈夫だ。 ゴールゲートの手前で、ナンバーと名前をアナウンスしてくれる。ゴールテープの向こうにカメラマンの姿が見える、写真撮影してるんだ。ここだけでも軽い足取りで、満面の笑みをたたえたつもりで、両手を上げてゴール! 雨に濡れたゴールテープが脚にまとわりついて、危うく転ぶところだった。 ◎ゴール後 ゴールすると、大きなバスタオルをかけてくれる。完走メダルもかけてくれる。ドリンク(アミノバリュ)を1本も。 すぐに完走証をくれる。 タイムは 10時間51分13秒。 サブイレブン達成だ! 雨が激しく降っていたので、すぐに更衣室へ。朝は空いていた更衣室は、早くゴールしたランナーが3,4人。シャワー室も隣にあったが、そのときはふさがっていたため、シャワーはせずに着替えた。 靴下を脱ぐと、足全体がふやけて真っ白になっている。指の裏には大きなマメがひとつ。左足親指の爪が浮いて、ぐらぐら動いている。両の踵には靴擦れのような赤剥けも。11時間も濡れていてふやけたせいだろう。 完走証にはタイムだけしか書いてないので、順位がわからない。 実はコース途中で沿道の人に「女の人10番目ぐらいよ」と声をかけていただいていた。それから以後女性に抜かれたのは多くて3人、抜いた人もいたような気がする。○歳以上と未満の2クラスに分かれているので、もしかして6位までの入賞にかかっているかもしれない。雨のため、記録の掲示は行っていないらしい。ちょっと半信半疑ではあったが、着替えたあとセンターのロビーで、放送を待つことにした。 ほどなく表彰式のアナウンスが。なんと3位に入賞だ!ウルトラで、入賞できるなんて、思ってもいない出来事だ。 ○歳以上の女子の部の優勝者は8時間台、2時間以上離れている。すごい人がいるもんだ。彼女は毎年優勝しているらしい。このとき順位は4位までしか確定していなかったのだが、優勝者がゴールしてからおそろしく時間が経っているので、暫定的に表彰式を行ったそうだ。 入賞の賞状と、トロフィー、お米(5kg)をいただいた。 帰り際、センターの正面玄関に、各自のゴール写真を掲示して、一枚1,000円で販売を行っていた。ゴール時間ごとに分かれている。探してみたが、私の写真が見当たらない・・・途中で離されたおにいさんも、鳥取ランナーさんも写っているのに。この状況で写り損なうのは考えられないけどなぁ。よっぽど地味な顔なんかしら。見落としたのかもしれないけれど、ないものは仕方がない。 というわけで、記念すべき第一回のおろち退治は、ゴール写真なし。 別荘地の当たる抽選は、全レースが終わってからなので、何時間も待つ元気なく、帰路につくことにした。 夕食に、新見市で千屋牛のステーキでたんぱく質補給。 2,950円のステーキセットをいただいたが、充分量もあってたいそう美味しかった。 あとは、新見ICから高速道路で一路我が家へ。途中近所の温泉に寄ったが、夜の10時には帰り着いた。 ◎総括 四万十川以来の2回目のウルトラ100kmレース、朝から雨で心配だったが、意外に寒くも暑くもなく走れたのは幸いだった。 秋の四万十川で目指そうと思っていた、サブ11を早くも達成できた。たいした故障も起こさず走りきれたのが、とてもうれしい。かなりな部分歩いたのが、休養になって、かえってよい結果をもたらしたのかもしれない。入賞のおまけもついて、ほんとにいい大会だった。 これで更なるタイム短縮を狙うのであれば、レストでの時間を少なくする以外にないだろう。 四万十川では、その方向で、サブ10.5を狙うかな・・・。 もらったもの---完走証と完走メダル、参加賞の山。Tシャツ、トマトジュース、干し椎茸。 この他に、かけてもらった大きなバスタオルと、クマよけ鈴。 ジャンル別一覧
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